First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
「武井さん!」

「おう、いろはじゃん。どうした」

「春雪は、今日休み?」
すると武井さんは困ったように眉根を寄せ、

「あいつから聞いてないの?」

「何、を?」

「あいつ、バイト昨日で辞めたんだよ」

えっ…。

嘘、でしょ?

だって困ったときはいつでも来い、って言ってくれたじゃない。

メールもして来いよ、って。

私は急いで携帯を取り出す。

そうだ、春雪にメールしよう。

私が携帯を開くと、そこには「新着メールあり」の表示。

きっと春雪からだ!

心配かけてごめんな、って言うつもりなんだよ、きっと。

私は何とか希望につなげようとした。

だってありえないよ、春雪がいなくなるなんて。
一緒にシェイク食べたよね。

キティちゃんのぬいぐるみ、とってくれたよね。
このピアスだって春雪がくれたんじゃない。


私はメールボックスを開くと、その場に立ち尽くした。

そこには春雪のアドレスから送られてきたメール。

たった一言。


「さよなら、いろは」


笑えない冗談のようだった。

夢、きっと夢なんだ。

私が返信しようとメールを送り返すと、「宛先が間違っています」と戻ってきてしまう。
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