First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
私を救ってくれた、あの春雪なんだもん。

私は井上先生の耳たぶにピアスのように目立つほくろを見て確信した。

春雪も、同じところにほくろがあった。

やっぱり、あなたは春雪だったんだね…。

でも、今は私の知っている春雪じゃない。

何年もの時を経て、大人になった春雪は、今、愛する人がいるんだね。

どんな人かはしらないけれど、きっとあなたが選んだ人だから、素敵な人なんだろうね。

私は泣き出しそうになったのを、唇をかんで我慢した。

結局、私は春雪に学校を案内しないで、職員室を飛び出していった。
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