First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
S2 放課後
私は、朝の一件から、ずっと春雪のことを考えていた。
アキ、って呼んでるんだ。
お姉ちゃんのこと。
私のことは忘れちゃったのに、あきは姉ちゃんのことは、夢の中でも思い出すんだね。
少しじゃなく、すごく妬ける。
1時間目から6時間目までずっと、そんなことを考えていたら、あっという間に放課後になっていた。
「いろはっ。一緒に帰りましょー♪」
紅が指定の靴下から紺色のハイソックスに履き替えて私のところに来た。
「ごめん、紅。私、岩沢に、井上先生の学校案内、任されてるんだ」
「ああ、そういえば、それで学級委員長にも選ばれたんだもんね」
「うん、まぁ」
「わかった。終わったら携帯に電話して。近くのファミレスで待ってるから」
「うん、ごめんね」
私に背を向けて、紅は歩き出した。
3時半になったら、職員室に行くことになっている。
時計を見ると、10分前だった。
私がそろそろ行くかな、と席を立つと、教室の後ろのドアから声をかけられた。
「黒川さん」
何度も聞いたことのある、大好きな人の声。
ずっと、ずっと昔に恋した人。
今でも誰より大好きな人。
私は静かに振り返る。
アキ、って呼んでるんだ。
お姉ちゃんのこと。
私のことは忘れちゃったのに、あきは姉ちゃんのことは、夢の中でも思い出すんだね。
少しじゃなく、すごく妬ける。
1時間目から6時間目までずっと、そんなことを考えていたら、あっという間に放課後になっていた。
「いろはっ。一緒に帰りましょー♪」
紅が指定の靴下から紺色のハイソックスに履き替えて私のところに来た。
「ごめん、紅。私、岩沢に、井上先生の学校案内、任されてるんだ」
「ああ、そういえば、それで学級委員長にも選ばれたんだもんね」
「うん、まぁ」
「わかった。終わったら携帯に電話して。近くのファミレスで待ってるから」
「うん、ごめんね」
私に背を向けて、紅は歩き出した。
3時半になったら、職員室に行くことになっている。
時計を見ると、10分前だった。
私がそろそろ行くかな、と席を立つと、教室の後ろのドアから声をかけられた。
「黒川さん」
何度も聞いたことのある、大好きな人の声。
ずっと、ずっと昔に恋した人。
今でも誰より大好きな人。
私は静かに振り返る。