First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜

S2 入塾テスト

紅と出会った翌日。

私は入塾テストを受けにまた一人で塾に向かう。
入塾テストは2日間に渡って行われた。

1日目は国語、算数それぞれ1時間。

2日目は理科、社会それぞれ1時間。

1日目にして私は結果があまりよくないだろうと想像した。

そして2日目、それは確実なものとなる。

塾で受けたテストは想像以上に難しかった。

小学1年から塾に通っていたけれど、こんなに自分の頭が悪いとは思っていなかった。

やっぱり私はバカなんだ。

だからお母さんは私を愛してくれないんだね。

なんとなく、母親の顔が浮かんだ。

試験を受けながら、何度もお母さんごめんなさい、と謝った。

心の中で謝ると、自然と気持ちが楽になる。

ごめんなさい、ごめんなさい。

わからない問題にぶつかるたびそう繰り返した。
私が余りに深刻な顔をしていたせいか、塾の先生が、

「大丈夫かな?」

と声をかけてくれた。

大丈夫、と言いたいところだけれど、大丈夫じゃないんです。

全然わからないんです。
そう言えたらきっと楽だろうな、と思った。


携帯電話でテストが終わったことを母親に連絡した。

携帯電話を受けた母親の声は上擦っていた。
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