First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
家族から無視されるのなんて慣れっこだよ。
私は母親が持たせるバーベキュー用の食材を車の後ろに積んだ。
全て積み終わって、さぁ、出かけよう、という時になって、
「あら、そういえば私、かぎ締めたかしら」
と母親が言い出す。
「全く、お母さんはドジなんだから」
父親が軽くため息。
「ちょっと、いろは。見てきなさいよ」
やっぱり、思ったとおりだ。
私はいわれたとおり、車から降りて確認することにした。
かぎはちゃんと締まっていて、ただ鍵穴にかぎがささったままになっていた。
お母さん、ほんとにドジだな。
ため息をつくと、かぎを引き抜く。
車に乗ろうと、振り返ると、そこには春雪が立っていた。
「あれ、ハル。どうしたの」
最近私は春雪のことをハルと呼んでいる。
春雪は少しためらいがちに、
「トイレに行く、って言って車から抜けてきた」
私は、そう、とつぶやくと、
「やっぱり、私は行きたくない。みんなだけで行って」
春雪は悲しそうに眉根を寄せ、
「いろは、さっきはごめん。何の手伝いも出来なくて。あきはが腕をつかんで離そうとしないんだ」
「わかってるよ、ハルは悪くない」
私は母親が持たせるバーベキュー用の食材を車の後ろに積んだ。
全て積み終わって、さぁ、出かけよう、という時になって、
「あら、そういえば私、かぎ締めたかしら」
と母親が言い出す。
「全く、お母さんはドジなんだから」
父親が軽くため息。
「ちょっと、いろは。見てきなさいよ」
やっぱり、思ったとおりだ。
私はいわれたとおり、車から降りて確認することにした。
かぎはちゃんと締まっていて、ただ鍵穴にかぎがささったままになっていた。
お母さん、ほんとにドジだな。
ため息をつくと、かぎを引き抜く。
車に乗ろうと、振り返ると、そこには春雪が立っていた。
「あれ、ハル。どうしたの」
最近私は春雪のことをハルと呼んでいる。
春雪は少しためらいがちに、
「トイレに行く、って言って車から抜けてきた」
私は、そう、とつぶやくと、
「やっぱり、私は行きたくない。みんなだけで行って」
春雪は悲しそうに眉根を寄せ、
「いろは、さっきはごめん。何の手伝いも出来なくて。あきはが腕をつかんで離そうとしないんだ」
「わかってるよ、ハルは悪くない」