First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
「わかりました、見にいってきます」
春雪は私にトングを渡すと、別荘に向かって歩き出した。
春雪、行ってほしくないよ。
ずっとそばにいる、って言ったじゃない。
こんな地獄のようなところに、一人にしないで。
焼きあがった食材をとりわけていると、あきは姉ちゃんが春雪の腕につかまりながらご機嫌で戻ってきた。
「ああ、あきは。やっと機嫌が直ったのね」
「ええ、ちょっとね、ハルユキ?」
「あ、うん」
春雪は気のない返事。
そしてなんだかうつろな目。
寂しさがにじみ出ている。
「じゃあ、バーベキュー、始めましょうか」
母親が言った。
「さ、どんどん焼き上がってるわよ」
かずは姉ちゃんがトングでひとつひとつ皿に取り分けていく。
私は、どうせ私の皿には乗せてくれないのだろうと思い、割り箸で肉をつまんだ。
「あら、いろは。自分でとるなんてやめなさい。私が取ってあげる」
あきは姉ちゃんがトングで肉をどんどん皿に乗せていく。
どういう風の吹き回しだろう。
今までこんなこと、ありえなかったのに。
「いろはは成長期なんだから、いっぱい食べなさい」
春雪は私にトングを渡すと、別荘に向かって歩き出した。
春雪、行ってほしくないよ。
ずっとそばにいる、って言ったじゃない。
こんな地獄のようなところに、一人にしないで。
焼きあがった食材をとりわけていると、あきは姉ちゃんが春雪の腕につかまりながらご機嫌で戻ってきた。
「ああ、あきは。やっと機嫌が直ったのね」
「ええ、ちょっとね、ハルユキ?」
「あ、うん」
春雪は気のない返事。
そしてなんだかうつろな目。
寂しさがにじみ出ている。
「じゃあ、バーベキュー、始めましょうか」
母親が言った。
「さ、どんどん焼き上がってるわよ」
かずは姉ちゃんがトングでひとつひとつ皿に取り分けていく。
私は、どうせ私の皿には乗せてくれないのだろうと思い、割り箸で肉をつまんだ。
「あら、いろは。自分でとるなんてやめなさい。私が取ってあげる」
あきは姉ちゃんがトングで肉をどんどん皿に乗せていく。
どういう風の吹き回しだろう。
今までこんなこと、ありえなかったのに。
「いろはは成長期なんだから、いっぱい食べなさい」