First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
Chap♪6 ハルと私
ゴールデンウイークが終わって3週間ほど経った。

あきは姉ちゃんはあのバーベキューの日から急に優しくなった。

それが少し、嬉しくもあり不安でもあって。

でもあきは姉ちゃん一人が優しくなっただけで、母親やかずは姉ちゃん、父親まで優しくなった。
その連帯感が妙に私の恐怖心をあおった。

何をたくらんでいるんだろう。

そんなことを考えながらも、つかの間の家族の愛を感じていた。


学校では春雪と会っても一切口をきかなかった。
バーベキューの日以来、春雪と私の間に見えない溝が出来ているような気がしていた。

春雪は明らかに私の視線を避けている。

学校の授業中に春雪をじっと見ていても、家に遊びに来たときに話そうとしても、なんだか距離を感じた。

それがとても不安でたまらなかった。


「ねぇ、いろは。井上先生とはうまくいってるの」

紅と放課後の教室で話していた。

眉毛を抜きながら、紅は顔をしかめている。

「うーん、なんか最近家が変なんだよ」

「何が変なの」

「家族が妙に優しくなった、っていうか」

「よかったじゃん」

「それになんだかハルとの間に距離も感じるし」
「距離?」
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