First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
そんな中、私だけは春雪の姿をどうしてもこの目に焼き付けておきたくて、視線で追ってしまった。

春雪は視線に気づいたのか、私の方を見た。

視線が合う。

私たちはずっと見つめ合ってしまった。

でも春雪の目があまりに悲しそうで。

何かを隠しているようで。

私は視線で問いかけた。

ハル。

何かあったの?

あのバーベキューの日からハルはおかしい。

私に何か隠してるなら、言ってほしい。

ハルのことは何でも知っていたいの。

悩みも、痛みも、傷も、喜びも、幸せも。

2人で分けあいたいの。
お願い、ハル…!!


私はすっと手を上に挙げた。

春雪は嬉しそうな、でも困ったような顔をしてから、私の方へ寄ってきた。


「質問かな」

私は答えずに、問題用紙に走り書きした。

「試験最終日の放課後、話したい。屋上で待ってる」

春雪は、

「ここはね、こうするんだ」

と私のペンを持ち、紙にペンを滑らせた。

「わかった。俺も話がある」

私がありがとうございました、というと、春雪は、

「もう質問はないかな」
と教室を見渡した。
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