理想の彼氏
もちろん、そう思った
男は俺だけではなく、
バカそうな男に
先を越された

話しかけられた女は、
最高にうざそうな顔を
しながら無視していた

俺も話しかけたら
無視されるだろうか…

『てめー、不細工の癖に
しゃしゃっ
てんじゃねーよ!
この汚い手を離せ!!』

女は顔に似合わず
口が悪かった

女は男に無理矢理
引っ張られていた
まずい、そう思った瞬間
俺は女の腕を引っ張った
女は驚いた顔で俺を見た

「すみません。
口が悪くて……
こいつ、俺の女なんで
手、離してやって
くれませんかね?」

咄嗟にでまかせを言うと
男は気まずそうに
去って行った

女は、慌ててお礼を
言ってきたが、
思った事と逆に
感じ悪い言い方を
してしまった…

「口悪いの直した方が
いいんじゃない?」

あぁー、しくった
ダメだな……

そう思った俺は、
女の前から
立ち去ろうとした

しかし、女は呼び止めた
これには少し驚いたが、
あえて態度には出さず、
冷静に振り返った

『あの…お礼したいんで
連絡先教えて
もらえませんか?』

これには驚いた…
しかし、あまり
顔に出さない俺は
固まって女をじっと
見てしまった
はっとした俺は
携帯を借りて、自分の
番号を入れた

「番号入れといたから
かけて」

それだけ言って
そそくさと退散した


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