理想の彼氏
門の近くに車を止めて
車に寄りかかりながら
タバコを吹かしていると
生徒がジロジロと
見てくる…
やっぱ怪しいよな
先公には見えないって
よく言われるし
すると、一際目立つ女が
歩いてきた
観察していると、
奈々はいろんな男女に
声をかけられている
明らか奈々の先輩
だろうという男まで
にこやかに
手を振っていた
『おうっ!
じゃあね~ん♪』
アホみたいな
挨拶をしながら
俺を見つけたらしい
小走りで駆け寄ってくる
奈々がなんだか
かわいくて、
笑ってしまった
『え?!な、何??』
奈々はいきなり
笑われたので、
驚いて顔を
真っ赤にさせて
自分の身なりを
確認していた
「……や、
なんでもない
行こうか」
笑いがやっと止まって、
不思議そうな顔を
している奈々を
車に乗せた
『あの……………』
「ん?」
横を見ると、なんだか
申し訳なさそうに
眉毛を垂らして
上目使いの
奈々と目が合った
『実は~……
私、お礼って言っても
何をすればいいか
分からなかったから、
何も考えてなくて』
「はぁ??!」