理想の彼氏
『そうだよね……』
「彰ぁ、お前‥
変わったなー
別人みてー」
克哉さんが優しく笑った
「うるせー」
彰が照れ隠しに
一気にカクテルを飲んだ
私はそんな彰を横で
微笑みながら見ていた
克哉さんにお礼を言って
バーから出た
『彰ってさ~‥‥
生徒にモテるでしょ?』
「………は?」
彰はこっちを
怪訝そうな顔を
しながら見た
「モテねーよ
あいつらは、ただ
若くて先生っていう
ちょっと大人な男に
惹かれるだけで皆
そのうち諦めて
同級生と付き合うんだよ
本気の奴
なんていねーよ」
『………本気の生徒、
ここに一名いますよ?
せーんせ?』
ちょっと上目使いで
彰を見上げると、
彰は、フッと
優しく笑って
抱きしめてくれた
「そうだな。
お前が生徒じゃなくて
良かった」
その言葉が嬉しくて、
感動していると、
彰がゆっくり顔を
近づけてきた…