理想の彼氏


目を閉じると、
柔らかい物が唇に触れた

目を開けると、
優しい顔で私の頬を
撫でてくれる
彰と目が合った

「…かわいい」

ドキッとして、
心臓が飛び跳ねる

『私…初めて』

「え?」

『キス………』

「は?!」

彰は驚いた顔で私を見た

「お前‥‥
今までの彼氏は?」

『付き合った事ないし』

彰は口をポカンと開けて、
なんだかキャラが全然
違って笑えた

「かなり意外……」

『だから言ったでしょ?
私、この人って思ったの
彰が初めてって!』

「だけどお前、告白は
されるだろ?
一人くらい……」

『確かにまぁまぁ
私、モテるからね!(笑)
だけど、いいかなって人
現れたの彰に
会った後だったし、
もう魅力を
感じれなかった
彰が私の今まで
会った人の中で一番!』

まぁまぁモテる
じゃなくて、絶対
めちゃめちゃモテるだろ

なんて心の中で軽く
嫉妬しながら
奈々の言葉が
冷えていた胸に
染み込んでいった

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