理想の彼氏
奈々が目を開けた
「おはよう」
『おはよう……』
んーっと伸びをして、
奈々はじっと
こっちを見た
「‥ん?」
『…何かあったの?』
「ちょっとイライラ
してただけ」
『…そっか』
そして俺はあることを
思い出した
「そういえば奈々も
昨日いきなり
会いたいなんて
なんかあったのか?」
奈々は、はっと
した顔をして
首を横に振った
『私もちょっと
イライラしてたから
会いたくなっただけ』
「…そっか」
その瞬間なんとなく、
距離があるな…
と寂しく思った
「奈々、お前
文化祭っていつだ?」
『えっ、文化祭?
いつだっけな~…
来月の5日だったかな?』
「5日か…俺らの学校は
次の日だから、
その日行こうかな」
『えっ?!』
「なんだよ」
『や……
いいんじゃない?』
俺はこの時の
おかしな奈々の様子に
気付かなかった
気付けば良かった