理想の彼氏


『私も彰だったら
良かったな』

そう言って、
隼人から逃げた

遠くに彰を見つかると、
駆け寄って思いっきり
抱き着いた

「‥どうした?」

心配そうに頭を撫でる彰
フルフルと首を
横に振って否定した

「…なんか
あったら言えよ?」

今度は首を縦に振る

車に乗り込むと、
気になった事を
彰に聞いてみた

『ねぇ、彰?
彰だったら好きな人が
他の人を好きに
なっちゃったら
どうするの?』

「ん?俺か?俺はな~
どうだろう‥‥
やっぱり人魚姫と
同じ行動を取るかも
しれねーな」

『…悲しくない?』

「じゃあ、奈々は
どうする?」

『私は‥‥きっと
仕方ないなんて
思えない
でも殺せない……』

「だけど人魚姫は
少しでも好きな人の
側にいれて幸せ
だったんじゃないか」

『…そうかな』

「俺はそう思うけどな」


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