理想の彼氏

「…それ、弟の彼女」

「え？」

「だから俺は生徒となんか
つき合えないよ」



――――――…

「悪いっ！！」

目の前で怒っている奈々に
俺は今必死に頭を下げている

『いつ、私が隼人君の
彼女になった？』

「とっさについた嘘が
それだったんだ！
本当に悪かった」

『…でも、それで
納得してたわけ？』

「分かんね…」

あの後、その女子生徒は
泣いてた理由が奈々とのを
目撃してからずっと
悩んでいたかららしい
たまたまそこに悩みの種が
歩いてきたから
思わず死ぬなんて
言ってしまったらしい

「隼人にも
謝っておいたから…
本当ごめんな？」

ドキッ

『……隼人君も怒ってた？』

「ん？あいつは優しいから。
“あんなキレイな
彼女だったら大歓迎”
とか言ってたくらいだしな」

……笑えない