理想の彼氏

「……なんかさ、
俺の印象って
どんなの？」

「え、印象？」

牧野君は優しく微笑んだ

「え～優しい…かな？」

「優しいか……
でも俺、
優しくないからね
加藤さんから話し
聞いてて引かない？」

「え？引かないよ！」

すると、牧野君は
悲しそうに笑って

「…優しく、
見守る事が出来たら
困らせたりなんか
しなかったのにな…」

と言った

その言葉に強く胸が
締め付けられた

「そんなの…
なかなか出来ないよ
それに、牧野君は十分
頑張ってるよ」

牧野君は私を
優しく見つめて、
ありがとう、と笑った

「てゆうかさ、名前
教えてくれる？」

「あ…佐々木有紗」

「有紗ね。
覚えとくよ」

突然呼び捨てにされて
驚いたのと、ふんわり
笑った顔にトキめいた