理想の彼氏


「なぁ、有紗は
好きな人とか
いねーの?
俺ばっか
恥ずかしいじゃん」

好きな人………

私はちらっと隼人の方を
見て、アピール
してみたけど隼人は
全く気づいてない様子で
こっちを見ている

「いるかな……」

「へぇ~
どんな感じなの?」

…こんな
感じですーっ!!!(泣)

「いや~………」

すると隼人は、
私が上手くいってないと
解釈したらしく、
急に立ち上がって

「そっか、俺有紗には
幸せになって欲しいよ
好きな女の親友だしな」

そう、にっこり笑った

…好きな女の親友
って肩書き、物凄く
悲しかった
泣きそうだった

隼人はそんな
私には気付かずに、
またな、と言って
階段を降りて
行ってしまった

…何よ。
私の気持ち気付かずに
傷つけるだけ傷つけて
いきなり現れて……


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