理想の彼氏



最高に機嫌が
悪かった私は、
思いきり真顔で

『キモいんだよ!
どっか行け』

男は最初に見せた
驚いた顔が段々
怒りに変わってきて
腕を掴まれた

『触んなっ!!』

「お前可愛いからって
男なめんなよ!!?」

ドンッ

『…った……』

思いきり壁に
押し付けられた

「おい」

男の後ろから
声が聞こえた
でも私はこの声が
誰か分かる…

男が振り返って時に
見えたのは――…

「あっきー…」

彰――……

「何してるんだ?
女に暴力か?」

「や!違うんだよ!
この女が……」

「なら俺が
言っておくから
お前らは早く帰れ」

「分かった……」

男二人が帰って
行ったのを見て、
彰はため息を吐いた

「…だから危ないと
言ったんだ」

『…別に平気だったもん』


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