理想の彼氏
学校が終わり、
隼人の待っている
教室へ向かう
手を扉に当てると
まるで手に心臓が
移ったかのように
バクバクと言っている
ガラッ!!!
隼人は一番後ろの席で
机に座って窓を見ていた
扉の音に振り向いて
私を見て微笑んだ
「待ってたよ」
私はゆっくり
隼人の前に歩いて行った
「…答えは出た?」
優しく尋ねられて、
首を縦に振った
「教えて、くれる…?」
思いっきり息を吸って
言葉を声にする――
『―私…………』
―――――――…
プルルルルップルルルルッ
『彰?
今日、コンビニで
待ってます』
留守電だったので
メッセージを残しておいた