理想の彼氏
彰side
「せんせー
もう帰っちゃうのお?」
「あぁ、また明日な」
甘い声、上目使いを使う
生徒にはもう
ずいぶんと慣れた
俺は面倒くさがり屋だ
例えば自分で
運転しなきゃいけない
車は嫌いだ
だから今日もバスで帰る
バス停までだるだるに
歩いていると、
タバコを吸いたくなって
途中、適当に壁に
もたれかかって
ぼんやりしていた
その時、視界に
入ってきたのは…
制服を着ているが、
一際目立つ女だった
いつもなら女なんて
どーでもいいと思うのに
この女は気になった
手足がモデル並みに長く
大きな眼に、高い鼻、
小さな口に
プルプルした唇。
誰もが振り返るような
キレイな顔立ちだった
いつもの自分なら
絶対考えなれないが、
あの女に無性に
話しかけたくなった