理想の彼氏
有紗side その後彼は
―――――――…
いつものように
階段を登って行くと、
――居た。
「牧野君…」
廊下に寝そべって
顔に腕を乗せて顔を
隠すようにしている
隼人がいた
私の声を聞くと、
腕を下ろして
こっちを見た
「あぁ……」
力なく微笑んで
また上を向いた
静かに隣りに座ると
しばらく沈黙になった
「………つーか、
かっこ悪くない?
俺。」
「かっこ悪く
なんかないよ」
私を見て、
また悲しそうに笑った
「兄貴なんかより
ずーっと好き
だったのにな…
また勝てなかった」
「…うん」
「ずっと…………。」
「……うん」
「……………………」
「…泣く?」
優しく微笑んで
隼人にそう言うと、
隼人は、フッと笑った
唇を震わせて涙を流した