理想の彼氏


そんな彼の頭を
優しく撫でた

「どんなに頑張っても
叶わない事だって
あるんだよ
だけどそれは自分が
悪いんじゃない
自分の努力が
足りなかったんじゃない
仕方ないだけなの」

ゆっくり語りかけると、
隼人は急に起き上がって
顔を見る前に思いっきり
抱きしめられた

「…ごめん、
しばらくこうさせて」

肩が段々濡れていくのを
感じた

しばらく経つと、
隼人は立ち上がって
階段を降りだした

「行くの?」

慌てて立ち上がると、
隼人が振り向いて
笑って言った

「久しぶりに泣いたら
腹減った
奢るから、ちょっと
近くまで
付き合ってくんない?」

私は嬉しくなって
満面の笑みで頷いて
駆けよった


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