俺だけ見てろよ。~幼なじみに恋してる~
『ちがうもん! だって……あたし、かわいくないから……ううっ、うーっ』


涙がどんどんあふれてくる。


『えっ……おい、泣くなよ。なんだよ! まさか、兄貴がなんか言った?』


あたしがまた泣くとは思ってなかったのか、レオは焦りまくっている。






『雄くんがっ……ひっく、今日の格好ヘンだって……。

かわいいねって言われたかったのに……ドレスに靴下はヘンって言ったの。

あたし、色黒いし……雄くんのお嫁さんになれないって……』


泣いてボロボロになったあたしの顔を見て、レオの顔が歪んだ。


レオの前で、弱音を吐きたくなんかなかったのに。


絶対、もっとバカにされるに決まってる。


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