血だまりの少女
音を立てない様に、扉に耳を押し当て、廊下の音に集中する。
カシャン……カシャン……
見回りの歩く音だ。
右側から近づいて来た音は私たちの居る部屋の前に差し掛かった。
そのまま通過するのだと思ったら、見回りは部屋の前で脚を止めたのだ。
「ッ!?」
悲鳴を上げそうになり、慌てて手で口を押さえた。
チラッと横目で赤野を見ると、驚いた様子で瞬きをしていた。
数秒が何分にも感じられた。
カシャン……カシャン……