血だまりの少女

再び見回りが歩き始めた音が聞こえて、小さく安堵の溜息を漏らす。

見回りはそのまま歩きながら階段を降りて行き、やがて足音が聞こえなくなった。

「もう大丈夫?」

後ろから赤野の心配する声がする。

「えぇ。今なら外に出られると思うわ」

「廊下に出てうろうろするのは危険だから、先にどの部屋に行くか決めておかない?」

赤野の提案は尤もだった。

一階に降りて行ったとはいえ、今まで聞こえなかった足音が突然したのだ、油断は出来ない。

「それじゃぁ向かいの部屋に行ってみましょう」

「わかった」

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