血だまりの少女

赤野は白い山の前から退くと、私の目を真っ直ぐ見つめながら言った。

かっこいい事を言ってくれるが、私には生意気な発言にしか聞こえず、思わず口角が上がってしまった。

「何で笑ってんの……」

眉をぐっと寄せ、あからさまに不満な顔をする。

「そう簡単には、殺られないわよ」

私はジャケットの左側をめくり、ホルスターに入れられた拳銃を見せた。

「銃じゃ勝てない相手かもよ?」

「その時は銃を捨てて逃げるわ」

そう言うと、赤野の眉間のシワが無くなった。

赤野は私の言う通り、扉の前に立った。

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