血だまりの少女
私の両肩を掴んでいた塚本の手の力が緩む。
「……あの、甲冑に……?」
「いえ……炎に、焼き殺されて……」
「そ、そんな……」
塚本は私の両手から手を離し、頭を抱えた。
「別々に逃げてなかったら……お互い必死で……気が付いたら……」
嘆く塚本は膝をついた。
私たちが生きているのは谷原が死んだからだ。
何と声を掛けていいか分からず、足元の塚本を見つめていると彼が顔を上げた。
「あんたは、刑事さんか?」