血だまりの少女

赤野は塚本をあからさまに警戒している。

それは塚本も分かっている様で気まずそうに赤野から視線を外し、グゥ〜グゥ〜鳴るお腹を恥ずかしそうに摩った。

「そうですよね……しばらく何も食べてなくて……」

私たちが持っているクッキーだけでは、塚本の胃袋は満たせないだろう。

「それじゃ、この部屋を軽く調べてから他の部屋に行きましょ」

「何か明かりになる物があれば良いんだけど……」

私は机を調べ始める。

赤野は油絵の方へ歩いて行った塚本を見て、本棚に向かった。

「折笠さんは、何でお化け屋敷に?」

机の上には数枚の白紙の紙があるだけだったので、チェストの引き出しを上から順に開けていると、油絵を調べに行ったはずの塚本が後ろから話しかけてきた。

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