血だまりの少女
《4》
火を点けたアロマキャンドルが、ぼんやりと真っ暗な部屋を照らした。
今は甘い香りも優しい炎の光にも癒されない。
オレンジ色の光で辺りを照らすと、壁のくぼみに少し溶けた白いロウソクが置かれていた。
残り一本のマッチで火を点けるのはもったいないので、背伸びをして白いロウソクにアロマキャンドルの火を移す。
少し離れた壁のくぼみにもロウソクがあったので、それにも火を移す。
全てのロウソクに火を点けると、部屋全体が明るくなり、漸く調べられる状態になった。
「すごい本の量だ……」
塚本が天井まである背の高い本棚を見上げる。
仕切られた段には、びっしりと本が詰まっている。
部屋の中央には四角い机と椅子があり、机の上には白いロウソクとアロマキャンドルの炎が揺らめいていた。