血だまりの少女
近くで何かの音がしたかと思うと、本棚が吐き出す様に一番上の段から分厚い本を落とした。
「あっ!!」
反応は出来たが、斜め前に塚本が立っていて手を伸ばしたが少し距離があるせいで、分厚い本の角がしゃがみ込んでいた赤野の頭に直撃してしまった。
「イデッ!!」
しゃがみ込んでいた赤野は頭を抱える様に押さえ、更に小さくなる。
「大丈夫!?」
私と塚本の声が重なる。
「血ぃ……出てない……?」
赤野が頭を見せてきたので、私よりも前に立っていた塚本が屈んで覗き込む。
太い指で赤野の髪の毛を掻き分けて、頭皮から血が出ている所は無いか探す。