血だまりの少女

試しに表紙をめくってみると、白紙のページの上部に逆さまで『341』と書かれていたので、私は裏表紙を開いてしまったのだと気付く。

私は本を持ち替え、今度こそ表紙を開く。

『日誌』と綺麗な細い字がページの中央に書かれていた。

ただ、今まで見つけた日誌とは違い、バラの紋章は無かった。

『体が弱いお嬢様は空気の綺麗なこの森の屋敷に来られてから、悪戯が目立つ様になりました。
何度注意しても直らないので困っています』

“お嬢様”と呼んでいるということは、この日誌を書いたのはメイドや執事なのだろう。

ページをめくる。

『家族と離れて暮らすお嬢様に対してあまり強く言えない私のせいなのですが、どうしたら悪戯を止めてもらえるのか考える毎日です』

このお嬢様はおてんば娘だったのだろう。

またページをペラペラとめくる。

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