血だまりの少女
「一人で居るほうが危険だよ」
少し眉を寄せた赤野は塚本に冷たい視線を向けている。
「確かにそうね。この屋敷に安全が確保されている場所なんて無いわ」
私も赤野に続き、三人で一階へ行くように誘導する。
「で、でも……」
自分の申し出を受け入れてもらえず、困った塚本は言い訳を探す様に視線を床に彷徨わせる。
「5分後には、この部屋が危険な場所になってるかもしれないわ」
「と、扉にカギを掛ければ大丈夫だよ」
閃いたと顔を上げた塚本は扉を見つめた。
「この部屋の扉にカギは付いてないよ」