血だまりの少女
「丸いテーブルに花瓶が載ってたよ。それ以外は何も無かったはず。折笠さん居ないし、すぐに出たから詳しくは見てない」
赤野は東側の部屋の中央、テーブルの位置を爪先で差した。
「まぁ良いわ。詳しい事はこれから調べに行くわよ」
私はクレヨンで描かれた地図を、折れ目に沿って折りたたみ、ズボンのバックポケットにしまった。
「さぁ早く行きましょ」
私たちは横に並んで部屋を出ようと扉に向かうと、背後から物音が聞こえてきた。
ガタガタガタガタガタ……
ゴトゴトゴトゴト……
振り返ると、大きなクローゼットだけが前後に揺れていた。
中から衝撃を与えている様な揺れ方をしている。