血だまりの少女
「今までの紙、レモンの香りした?」
「気付かなかったけど……。これさ、炙り出せるんじゃないかな?」
「焦げて浮き出るってこと?」
赤野はキョロキョロと部屋を見回す。
「そうそう。レモン汁で書いた所は化学変化を起こして発火温度が紙より低くなるんだ。つまり紙より早く焦げるって事。もしかしたら隠されたヒントが浮かび上がるかも」
「なるほど。じゃぁ早速……」
炙り出しに必要な火を探すが、ロウソクはシャンデリアとなって天井にぶら下がっているので使う事は出来ない。
「他の部屋のロウソクを使うしかなさそうだね」
赤野が私に紙を返して言った。
「そうね……じゃぁカエル、の部屋は危なそうだし、花瓶の部屋に行きましょ。あそこなら壁のくぼみにロウソクがあったから手が届くし、危険も無いわ」