血だまりの少女
頷いた赤野が扉の隙間から廊下を確認し、甲冑の姿が無いようなので私たちは花瓶の部屋に移動した。
壁のくぼみに置いてあるロウソクを一本取り、溶けたロウソクが指に垂れないように花瓶の載ったテーブルに運ぶ。
「それじゃぁ始めましょうか」
私はロウソクの炎から数cmの高さに紙をかざして、隠されているであろうヒントを炙り出す。
じりじりと焦げる臭いが漂い、白い煙が出始める。
柑橘系の香りがする所が薄っすらと茶色く焦げ、隠されていたヒントが露わになる。
「し・かい……」
赤野が読めるようになった茶色の文字を声に出す。
紙をずらし、全体的に炎を当てる。
「かい・を・と……」