血だまりの少女

花瓶の部屋は今のところ安全だが、東側の部屋に辿り着いた時には、甲冑が階段を登り切って、私達の存在に気が付いてしまう。

目の前の部屋は血生臭い湿った空気が漂っていて、どんな部屋なのかも分からない中に入るのは危険過ぎる。

甲冑から逃れる為に身を潜める場所としては不向きだろう。

「甲冑はここを一周したら二階に下りて行くよ。甲冑に気付かれない様に後ろを付いて回れば大丈夫」

一度赤野はその方法で二階から登って来た時に、カエルの部屋に辿り着いている。

「確か反時計回りに徘徊していたわよね?一旦、花瓶の部屋に隠れましょ」

カシャ……カシャ……カシャ……

作戦会議が終わったところで、甲冑が階段を登り切り、三階の廊下に足を乗せた。

カシャ……カシャ……カシャ……

予想通り、甲冑は東側の廊下を北に向かって進み始めた。

< 225 / 424 >

この作品をシェア

pagetop