血だまりの少女
赤野が推測する。
確かに足音は北東である廊下の曲がり角の所で止まっていた。
「注意して進まないとね」
耳と足に神経を集中させて、甲冑に見つからないように進んで行く。
再び北西の曲がり角で甲冑は立ち止まる。
その頃、私たちは東側の花瓶の部屋の前に立っていた。
ドアノブを掴み、甲冑が西側の廊下を歩くのを待つ。
もし、北側に居る甲冑が物音に気が付いたら、サイレンの様な呻き声を上げながら走ってくるだろう。
北と東は距離が近い。
だから西側に甲冑を行かせた方が、物音に気付かれたとしても逃げ切れる可能性がある。