血だまりの少女
《5》
血生臭いニオイがすると分かっているだけに、扉を開けるのを躊躇ってしまう。
「開けるわよ、準備は良い?」
赤野は服の袖で鼻と口を押さえて首を縦に振る。
ハンカチはナイフの刃を包んでいるので、私もジャケットの袖で鼻を覆う。
「ふぅ……」
深呼吸をし、意を決してドアノブを掴む右手に力を入れた。
ドアノブを回し、扉を押し開けると覚悟していた激臭が私たちを襲い、思わず手が止まってしまった。
「早く調べて早く出よう」
赤野の言葉に頷き、私は一気に扉を押し開けた。
「ッ!?」