血だまりの少女
「放して!赤野君ッ!」
「放したら、折笠さんはボトルを蹴っ飛ばすでしょ?」
私よりも強い力に、体を揺すって抵抗したが、赤野の腕を振り払う事は出来なかった。
「花瓶に二宮の血を注げって言うの!?そんなのッ……そんな事出来るわけないじゃないッ!!」
未成年だろうと、高校生にもなれば大人と同じくらいの力がある。
成人だとしても、女の私が適うわけないのだ。
私は赤野の腕を振り払う事を諦めた。
「じゃぁ、あの血を蹴飛ばしたら折笠さんは自分を傷付けて血を注いでたでしょ?」
「そうよ!二宮が殺されてしまったのは私のせいなの!だから二宮の血を使って仕掛けを解くなんて私には出来ない。だったら私の体から血を注ぐわ」
「折笠さんだって馬鹿じゃないんだから、指先なんか切ったぐらいで花瓶がいっぱいに成るほどの血なんて簡単には溜まらないの、分かるでしょ?」