血だまりの少女

「笑うな!」

赤くなる顔を見られない様に、赤野に背を向けた。

「さぁ!早く花瓶の部屋に行くわよ!」

無理やり話題を変え、私は二宮の肉の塊の前に戻り、深呼吸をしてから見上げる。

「二宮……貴方の死を無駄にはしないわ」

私はしゃがみ込んで、血が溢れるボトルを掴み取る。

【二宮の血でいっぱいになったボトルを手に入れた】

掌にべとべとの血が付く事なんて気にならなかった。

立ち上がった私は再び二宮の肉の塊を見上げる。

そして小さく砕けてしまった骨と、血を吸い込んだお洒落なスーツの切れ端を形見として拝借した。

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