血だまりの少女
「本当に……潤ってる」
赤野は黒バラの様子を、口を開けたまま見つめていた。
私も瞬きを忘れ、黒バラの再生能力から目が離せなかった。
放物線を描いていた茎も、萎びた花びらも葉も潤っていく。
茎は真っ直ぐになり、葉の先まで緑が鮮やかに蘇る。
茶色く変色していた花びらは、外に咲いていた黒バラと同じ真っ黒な花びらに戻った。
水では枯れてしまった黒バラは二宮の血を吸って、美しい姿を取り戻した。
その凄まじい再生能力に、思わずゴクリと唾を飲み込んだ時だった。
パリンッ!!
「きゃぁッ!」