血だまりの少女
「うわぁッ!?」
突然、花瓶が割れて二宮の血とガラスの破片が四方八方に弾け飛んだ。
鋭利な花瓶の破片は、無防備な私たちを容赦無く襲う。
咄嗟に腕を顔の前で交差させたが、素肌が露出している手の甲や、ジャケットの袖から少し出た手首を切ってしまった。
私の傷は軽い切り傷なので気にせず、スーツを摘んでパタパタと動かし、付着した花瓶の破片を落とした。
「赤野君、大丈夫?目とかに入ったりしてない?」
私は顔を上げ、赤野の顔を見る。
「一応……」
そう言った赤野の顔は血だらけだった。
「赤野君ッ!?」