血だまりの少女
《1》
重たい扉を押し開けて、ラスボスが待ち受けているであろう部屋に入る。
いったい何が居るのか分からないので、ホルスターにしまっている銃に、緊張した手を添える。
だが、目の前の光景に、体の力が抜けた。
構えていたのが恥ずかしいくらいだ。
部屋にはラスボスらしき人物も怪物も見当たらなかった。
あるのは上へと続く階段だけだった。
「まぁ良く考えれば後ろにカエルの部屋があるんだから、もう一つ部屋があるわけないよね」
赤野は肩の力を抜いて、乾いた笑い声を出す。
私も苦笑いを浮かべ、ふーっと息を吐く。
力を抜いた体を引き締めて、階段を登る。