血だまりの少女
折れた茎はゆっくりと繋がり、倒れた黒バラが起きがってきている。
目の前の黒バラは凄まじい速さで再生していた。
花をもいだら、蕾が出来て黒バラが咲く瞬間を見られるだろうか。
黒バラの再生能力を不気味に思ったが、好奇心が勝ち、俺は綺麗に再生された隣の黒バラの茎を折って花頭をもいだ。
カチッ……
どこかでカギの開く音かした。
もしかしたら玄関が開いたのかもしれないと思い、もいだ黒バラを捨てた。
立ち上がり、来た道を戻ろうとすると、足が何かに引っかかった。
引っ掛かっている右脚を見ると、トゲの生えたイバラが足首に巻き付いていた。
力任せに足を引っ張ってみるが、取れるどころかイバラはどんどん巻き付いて脚を登ってくる。