血だまりの少女

天井の開いたままの扉の先には青い空と、それを切り裂く様に鋭いトゲの生えた緑色のイバラが、私に迫って来ていた。

「危ないッ!!」

赤野は叫び、私は鉄梯子を登り、扉の取っ手を掴んで勢い良く扉を閉めた。

だが私が扉を閉めるよりも早く、イバラが部屋の中へ侵入して来てしまった。

「クッ……」

私はイバラを切断するつもりで扉を閉める力を強める。

痛みを感じているのかイバラが暴れ始めた。

すると剣の切っ先の様に鋭く尖ったイバラが、私の左肩を突き刺した。

「ぁぁああああ゛ッ!!」

皮膚と肉が切り裂かれ、スーツに血が染み込み二宮の血と交わる。

< 280 / 424 >

この作品をシェア

pagetop