血だまりの少女
子猫は森に入って来た少女を見て、嬉しそうに鳴いた。
森の入り口と言っても他より木と木の間が広いだけで、人の手が加えられた道ではなかった。
木の根元に生えた雑草が、ワンピースを着た少女の生脚を撫でる。
その度に少女はゾワゾワと鳥肌を立てて、気持ち悪いと思った。
今すぐ引き返したいと考えたが、ヘアゴムは親友とお揃いなので、失くしたら嫌われてしまうと思い、少女は我慢して子猫の元まで歩いた。
『もうちょっと……』
少女はゆっくりと子猫に歩み寄った。
ミャァ~……
だが子猫はあと少しの所で、また逃げてしまった。
『あッ!もう!かえしてってばッ!!』