血だまりの少女
少し緊張が解け、自然と口が動く。
『いいなぁ。おそろいとか、あこがれちゃうな……』
少女は女の子が一瞬だけ悲しい顔をしたのに気が付かなかった。
『すればいいじゃん?このヘアゴムすっごくはやってるし』
少女は簡単に出来るお揃いをしない女の子を不思議に思った。
『……私ね、お友達いないの』
眉をハの字にして笑う女の子を見て、少女はしまった、と思い、何と声を掛けて良いか分からず黙ってしまった。
『私の体は弱くて、他の人とは違うから、空気がキレイだからってお父様とお母様が用意してくれた、このやしきでくらしてるの。みんな私のことを見て、へんだって気味悪がるんだ……』
女の子は悲しそうに笑いながら子猫の頭を撫でる。
『アルビノって言うんだって、私のびょーき。……ひさしぶりに誰かとお話が出来て楽しかったよ。森にまよっちゃったんだよね。出口にあんないしてあげるから、もうここには来ちゃだめだよ』