血だまりの少女

そしてイバラは俺の両手首と左足首を拘束し、締め付けてきた。

『二宮ぁー、早く来なさいよぉー!』

必死に助けを求めても、先輩には届かなかった。

俺は見えない先輩に手を伸ばす。

トゲが手首に食い込み、イバラは真っ赤な血で濡れていた。

手首から手がもげそうだ。

見えなくても左脚も同じ様に、血が流れているのだと容易に想像が出来た。

イバラは血を吸収しているのか、太くなりトゲは更に鋭くなった気がする。

手足や顔が焼ける様に痛くて意識が朦朧として来た時だった。

ギェェェエエエッ!!

キーンと耳を塞ぎたくなる何かの呻き声に驚いていると、手足の激痛と共に体が宙に浮いた。

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