血だまりの少女
「時間無いのに……」
折笠さんの命が危険に晒されているのに、虱潰しでしか調べられないのが、もどかしい。
青い扉から一番近いクローゼットを開けた。
ワンピースが4着ハンガーに掛かっているだけで、カエルのフィギュアが入っていた下の引き出しを開けたが、何も無かった。
隣に移動し、大きな鏡の化粧台の前に立つ。
折笠さんの相棒の血で赤く染まった自分の姿を見つめる。
生きて……いや、そんなネガティブな考えは止めよう。
化粧台の上は、黒バラが挿さった花瓶やヘアブラシなど化粧道具が並んでいて、最後に見た時と同じ状態だった。
金色の取っ手を掴み、化粧台の引き出しを上から順に開けていく。
折笠さんが調べた時は花の毒についての分厚い本が入っているだけだった。