血だまりの少女
その直後、手首に巻き付いているイバラが俺の体を後ろへ引っ張った。
引き千切られると瞬時に理解し、体に残る僅かな力を全て使って抵抗した。
が、何百倍もの力で俺の体はいとも簡単に後ろへ引っ張られてしまった。
スーツが布切れに変わり、肉体が肉片と化した。
ブチブチと筋肉が引き千切られ、ぐちゅぐちゅと内臓が擦れ合う。
ぼた……ぼたぼた……ぼたっ……。
千切れた血管から噴き出した血液は俺の下半身を伝って、バケモノの口を潤した。
柔らかな腹部の肉は引き裂かれ上半身と下半身を繋げているのは、神経を束ねる脊髄だけとなってしまった。
この時、既に俺の意識は無い。
死んでいるという事だ。
力尽きた俺の体をイバラが引っ張り、枝を折る様に脊髄を折られ、下半身を噛み千切られた。